DV防止教育センターは、社会の中のDV(ドメスティック・バイオレンス)をなくすために、DVする人が自らのDV行動に気づき、DV行動をやめるための DV加害者プログラム、DVに関する各種講座、子どもたちがDVをしないされないためのDV防止教育講座を実施している教育機関です。

2008 年8月29日に、名古屋駅前に開設し、現在、愛知県内ばかりではなく岐阜県、三重県、滋賀県、長野県、大阪府などから4つのグループに20名ほどの男性が グループワークに参加しています。また、個人面接や女性のためのワークなども行っています。アメリカではDVは法の下に逮捕され、プログラムへの参加が命 じられます。カルフォルニアや他州でDVにより逮捕され、裁判所からプログラムへの参加を命じられた人も参加していて、裁判所や保護監察官などにレポート の提出も行っています。
2010年10月には、全米初の日系人向けの加害者プログラムを開発し実施している、ロサンゼルス・リトル東京サービスセ ンターの坂本安子さんを講師に、DVの被害者・加害者に関わる人たちのための「カルフォルニアの実践に学ぶDV加害者更生プログラム研修会」を開催しまし た。

2008年10月10日には名古屋テレビで紹介され、12月10日には日本経済新聞、2009年1月13日にCBCラジオ、6月24 日に中京テレビ、8月27日にNHKテレビにも取り上げられました。このほかにもマスコミや行政などの政策担当者の訪問も相次ぎ、DV加害者対応への意見 を発信しています。
DV対策はDV被害者支援ばかりではなく、DV加害者への対応も求められるようになりました。

欧米では1980年代から、台湾や韓国では1990年代から夫が妻に暴力を振るうことは犯罪であるとされました。DV加害者更正プログラムも実施されています。

DVは夫婦や恋人など親密な関係の中で起きています。今まで親密な間の暴力は個人的な問題であると見過ごされ、軽く考えられがちでした。

し かし、DVはDVされる人の心や体を深く傷つけます。DVによる傷害ばかりでなく、鬱や不眠症などの精神的な疾患や頭痛、腹痛、生理不順など身体的な疾患 につながることもあります。仕事のミスや判断力の低下にもつながります。このようにDVは個人的な問題ばかりではなく、社会的にも大きな問題です。

ま た次代を担う子どもたちの成長にも影響を及ぼします。DVされている人はDV加害者にびくびくして、顔色をうかがい、DV加害者の要求を優先しがちです。 その結果子どもへの配慮ができなくなったりします。また、DVのある家庭に育つ多くの子どもたちが暴力の直接的な被害者になっています。このことが自己肯 定感や自尊心の低下など子どもたちの心身の健全な発達の阻害原因となります。子どもたちへの暴力の連鎖も懸念されます。

DVはまだ結婚していない、おつきあいをしている若者の間でもおきています。若者の間のDVは性的な暴力がおこりやすく、性感染症や望まない妊娠や中絶の危険性もあります。大人のDVにもつながりやすく、若者の将来のための職業トレーニングや学業にも影響をもたらします。

DV はDVする人の問題です。DVする人はDVを相手のせいにしがちです。また、DVされている人は、自分のせいだと思いがちです。しかし、DVはDVする人 がDV行動を自分で選んで実行します。DVする人が自分自身で、自らのDVに結びつく考え方や行動を変えない限り、DVはなくなりません。

DV 防止教育センターの加害者プログラムは被害者支援の一環として行っています。我が国のDV防止法は被害者の保護と相談が主な内容です。また、被害者支援の 団体も全国で活動していますが、被害者の相談と保護が主な内容です。被害者の安全の確保や自立への支援は、緊急性を求められる基本的かつ大切な活動です が、被害者は逃げるか離別しか選択がありません。また、加害者はパートナーが突然離れることで混乱して、必死でパートナーを探し回ったり、パートナーや支 援者を恨むこともあります。自分こそ被害者だと感じたりします。そのことにより危険性が増すこともあります。また、加害者自身の社会生活を失ったり、問題 を起こすことにも繋がることもあります。DV防止教育センターではDVする人が自らの暴力行為を見つめ、被害者や子どもたちの苦しみや影響を知り、謝罪 し、暴力に結びつく考え方や行動を変え、責任ある生き方をしていただくことを目指しています。

親密な人からの暴力は、親密な関係性の間に起きるからこそ、余計に相手の心や体を深く傷つけます。暴力を受けてもいい人間はこの社会には一人も存在しません。誰もが愛され大切にされる権利を持っています。

DVをなくすことは社会の大きな課題です。DV防止教育センターは、さまざまな活動を通して暴力のない社会づくりに貢献したいと思います。

 

代表・ファシリテーター:岩瀬祥代

[プロフィール]
1950年生まれ、愛知県出身。
30年ほど前から、子育て、教育、消費者、障害者の活動に参加。20年ほど前より男女平等の活動を始める。愛知県地域婦人団体連絡協議会役員、愛知波の会代表、東三にじの会会長、愛知県男女共同参画審議会委員などを務める。10年ほど前よりDV被害者支援の活動を始める。

愛 知淑徳大学、日本福祉大学、研修会などで女性学、男性学、ジェンダー論、心理学、社会学、社会福祉、精神保健福祉、精神医学などを学ぶ。STEP勇気づけ 浜松ルーム宮本きみゑ氏、ヒューマンギルド岩井俊憲氏にアドラー心理学(勇気づけの心理学)や交流分析などを学ぶ。日本女性学会会員。精神保健福祉士。ア ドラーカウンセラー。ELM勇気づけリーダー・トレーナー。

アウェアが実施した03年加害者プログラムファシリテーター養成講座、05年 加害者プログラムファシリテーター養成講座受講、カルフォルニアのCABIP(DV加害者プログラム・ファシリテーター協会)会長のアリス・ラビオレット 氏のトレーニングを受ける。06年アウェアデートDV防止プログラム・ファシリテーター養成講座受講。アウェア カルフォルニアDV研修ツアーに参加。レ ジリエンス04年オレゴンDV研修ツアーに参加。エンパワーメントセンター、女性の安全と健康のための支援教育センター、レジリエンス、女性ネット saya-saya,JUST、アサーティブジャパンなどの各種講座を受講。

06年よりアウェアスタッフ兼ファシリテーターとしてDV加 害者・被害者に日々関わり、面接や個人セッション、DV加害者プログラムのグループ・ファシリテーターを担当。アウェア出張相談を担当。デートDV防止プ ログラムファシリテーター養成講座の企画・運営・講師を務める。認定ファシリテーターのプログラム実施への相談担当。認定ファシリテーターのフォローアッ プ講座の企画運営を担当。プログラムの開発、パンフレットの請負制作を担当。また各地でデートDV防止教育プログラムの実施、DVやデートDVに関する研 修会、DV加害者についての講演会などの講師を務める。

2008年8月29日より、名古屋市中村区にDV防止教育センターを開設し、日々DV加害者・被害者に関わる。